奇跡を起す力の源を持とう。「奇跡の脳」

相づちをしても興味がないようで、どこか上の空だったり他人事のように思えている心の状態は、相手に見透かされています。

興味がないのは自分が設定した枠以外だからですが、枠を固定化しすぎると相手との違いを浮き彫りにして気持ちを固執させます。婚活で自分に合う人を探すより、互いに持ち寄り合わせていけるスタンスの持ち主なのか問われるのではないでしょうか。

■奇跡を起す力の源

大小問わずこれまで身に起きた奇跡を、どのような時に感じますか?

経験を集合させつつ暗闇をさまよった挙句の果て、考え方や見かたの角度を変えた先に、一筋の光が差し込む瞬間を体感した人。悩や迷いを「考える」ことに置きかえ、考えて行動してまた考える。考えて考え抜いて最善まで尽くしたところに、一筋の光が見える時、奇跡が起きたと感じる。

思いがけない出来事に遭遇したら、冷静に対処できるかどうか。
日々考えていたからこそ、よりよいスタートダッシュをきりたいものです。

さて、寒い時期は脳卒中が発症しやすいと言われます。脳を目にする機会はなかなかありません。だからこそ、患者や家族、医療関係者への視点、脳と心の関係など知る貴重な一冊。自分を奮い立たせ再起するまで8年間の壮絶な回復プロセスや、言葉以外に態度や感情など振動で伝わる思いなどを脳科学者がわかりやすく書いた「奇跡の脳: 脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫)

神経解剖学者のジル・ボルト・テイラー博士は37歳時、脳卒中で倒れました。
倒れる前の発作段階から、客観的に起きたことを分析し何をすべきかを考え行動に起していきます。

障害を受けた場所や程度など朦朧としながらも、起きたすべての体験を忘れないように。「専門家自身が脳卒中を体感したことで、わかることがあるはず」と、前向きな姿勢に驚き、感銘しました。また、脳に起きた変化だけではなく、周囲に漂う感情の流れを敏感に受け取ることになります。

この若い女性は、まるでエネルギーの吸血鬼なのです。
彼女はわたしが弱り果てているにもかかわらず、ひたすら何かを聞きだそうとします。そして、彼女からのお返しは何もなし。彼女は時計と競争していました。そして明らかに、競争に負けつつありました。時間がなく焦っていた彼女は、わたしをぞんざいに扱いました。わたしはまるで、誰かの不注意で見落とされた、どうでもいい物みたい。彼女は、機関銃のような早口でしゃべりまくり、わたしの耳が遠いかのように大声で叫んでいます。わたしは座ったまま、彼女の馬鹿さ加減と無知を観察していました。彼女は時間がなかったし、わたしは脳卒中の生き残りだった。
もともと馬が合うわけもありません!
もし、親切に辛抱強く接してくれたら、彼女はもっと多くの情報をわたしから得ていたことでしょう。しかし、彼女はあくまでも自分の時間とペースだけに合わせることを強要するわけですから、わたしたち双方ともに満足は得られなかったというわけ。

7章「二日目 あの朝の後で」より

接し方一つで、心を開いたり閉ざされたりします。

例えばお見合の話、一方的すぎて話しがかみ合わず断られた人がいました。
自分の思いを伝えたい気持ちは、わからなくはありません。
しかし、自分について多くの情報をラジオから流れてくるように一方的に聞かされては、バッティングセンター風に打ちっぱなし、話しっぱなしです。
せめてコミュニケーションのキャッチボールをしようとするスタンスを、持っていたいものです。

また、相手の良さでなく減点法をするかのように注目していることはないでしょうか。
本人曰く「今日はこれができた」「明日はこれをうやってみよう」と一歩一歩を大切に、前を向いている人がいます。どのような人を望むかと考えた時、漠然とでも前向きな人というのであれば、現時点だけでなくプロセスも知ることをおすすめします。

博士が回復するために、一番大切にしていたことがあります。

うまく回復するためには、できないことではなく、できることに注目するのが非常に大切。
毎日、何かを達成できたことに喜びながら、どれほ上手くできたかにだけ焦点を絞り続けました。歩けるか、話せるか、自分の名前を覚えていられるか、といったことにはいちいちこだわらない。もし、息をすることしかできなくても、生きていること自体を喜べばいいのです。

11章「最も必要だったこと」より

「何に、注目をしていたのか」のバロメーターを、相手にも自分にも感じてみてください。思わずできないことに目が行きがちですが、それよりも素敵なところを一つ、二つ、三つと見つけられることは、相手をしっかり見ていた心の記しです。
後に積み重ね、互いの赤い糸を織りなせる関係を築ける道筋になるのではないでしょうか。

では、博士の話に戻しましょう。
現在は回復し、2008年には大規模な世界的講演会TEDでこれまでの体験をプレゼンテーションされました。

(TED有志の協力から、字幕がつけられた動画「ジル・ボルト・テイラーのパワフルな洞察の発作 」はこちらです。)

脳は、一度機能を失うと二度と戻ることができないといいます。
しかし、脳にというか人間に秘められた可能性は計り知れません。常識や自分が決めた枠を越え、あるものを繋ぎ合わせていくと新たなものが生みだされるのではないでしょうか。

■自分で自分の邪魔をしない

比較する時は上下や勝負、自分が優位に立ちたい気持ちが渦巻いています。
渦の巻き方に気をつけることで、負のスパイラルからの脱却は可能です。ただし、自分の中に劣等感を持ち続け「ダメだ、ダメだ」と自分を嫌ったり責めてしまうようでは、元も子もありません。

たくさんの新しいことに挑戦し、たくさんの成功を収めました。そして時には、まだ態勢が整っていないことにさえ挑戦します。
しかし、気持ちのうえでは、自分の自然な回復のじゃまをしないように気をつけていました。頭のなかに響く対話、つまり独り言には要注意。なぜなら、ちょっと油断すると、一日に何千回だって、以前の自分と比べて劣っていると感じてしまうからです。つまるところ、脳のはたらきを失ったわけですから、自分自身を哀れむほうが自然なのです。でも幸いなことに、右脳がもたらす歓びと祝福の気持ちが非常に強かったので、自分がダメだとか可哀想だとか思ったり、気分が落ち込んだりするのを防ぐことができたのです。
自分の邪魔をしないことには、周囲の人々の支え、愛、そして助けを受け入れることも含まれます。

11章「最も必要だったこと」より

頭の中に、何を響かせているのでしょうか。
自分の発した言葉や想いは、身体に響きます。
勘違いや誤解を招く前に、言われた言葉の意味をしっかりと噛みしめ、次に同じ間違いを繰り返さないよう学びに変える。
意見を言い合うだけでは、感情が乗り移り喧嘩になります。方向性を確認し、よりよい形にしたいから意見を出し合い、互いの気持ちを伝えあえる。会話がしっかりできる二人は、夫婦時の強みです。

固執せず執着せずに、体験からの学びは自分の血や肉になります。
受け取り下手にならず、相手の厚意に「ありがとう」と感謝の気持ちが行き交う間柄なら、温かな心の交流ができるはず。

見えない世界を知りたい気持ち。
知れば知るほど興味が湧く思いは、人への関心と同じです。




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