愛とは何か？映画「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」

愛とは何か？映画「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」

不倫を題材にした「昼顔～平日午後３時の恋人たち～」。
契約書で交わされた夫婦、妻にはある秘密があった「〇〇妻」。
結婚は契約として捉えている合理的な女性が結婚相談所である男性と出会い、デートを重ねていく「デート～恋とはどんなものかしら～」などここ数年、ドラマの世界ではキラキラした恋愛模様というより、何かを秘めている影の部分にスポットをあてた内容が増えています。

これまでは、臭いものに蓋をして見て見ないふりをしていた影にも光をあてるような時代になったのかもしれません。

映画「深夜食堂」は人の深さについてでしたが、今回ご紹介する性をテーマにしたダイレクトな作品から、男女の愛について考察してみましょう。

■愛と性

５０ヶ国以上で翻訳され、ハリーッポッター超えの大ヒット官能小説が映画化「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」です。

愛と性がテーマだけあって、１００分中２０分が性行為の映画といわれるだけあって、Ｒ１５指定で黒いぼかしが多くあります。
予告編でかなり期待して肉体的な高揚感を味わいたいと思っているなら、少し期待値をさげたほうがいいでしょう。

心に描いている愛は人それぞれ違います。
婚活映画として観た場合、本物の愛について思いを巡らすことができる刺激的な作品です。

簡単なあらすじとして、女子大生のアナスタシア・スティールが体調を崩したルームメートの変わりに、学生新聞の取材で巨大企業の若き創業者兼ＣＥＯのクリスチャン・グレイにインタビューしたことから２人は急接近します。

クリスチャン周囲にはいないタイプのアナには惹かれたのでしょう。しかし、彼は純粋無垢なアナを見て「やめておけ」と言います。
その理由は、デートをする恋人たちのような関係を求めているアナの期待には応えられないからです。なぜなら、過去のある経験から心から人を愛せず、女性付き合う時は契約を交わしていました。

一方のアナは、恋愛経験ゼロ。初心さを装うことはせず、意外と物事をストレートに言う芯の強さなど、彼女の魅力です。
インタビュー後からアナの表情は変わり、恋に落ちたことがわかります。恋が愛に変わった時、彼のどんなことも知りたいと思いつつ、深みに入っていきました。

■自分のボーダーラインを知る

「ここまでならいい」というボーダーラインは、各人が持っています。しかし、言葉で発していない限りは手さぐり状態なのかもしれません。だからといって、言葉を発しても自分で茶化していたら、相手は真に受けません。

映画では、アナの心のボーダーラインが鍵となります。
アナは言葉で発するよりも、身体で感じようとしたのでしょう。実に健気です。
しかし、クリスチャンは悦に入っていました。

「この程度なら相手も受け入れるだろう」とアナの愛という名の正当行為のボーダーラインから、クリスチャンの本心に近づこうと「本当に望むボーダーライン」に合わせた時、アナの感情が溢れだしました。

ここでは、趣味嗜好をとやかく言うことではありませんが、快楽と暴力にはボーダーラインがあります。愛情と欲望のバランスが崩れてエスカレートした時、愛した人を傷つける行為に変わります。

なぜ、アナが泣いたのか？
どのように扱われていると、彼女は感じたのでしょうか？

女性の気持ちがわからない男性は、この辺り踏まえて考察してみることをおすすめします。

また、クリスチャンが「自分には５０の顔がある」と言っていました。仕事で見せる顔とプライベートで見せる顔があるように、それぞれの顔があります。
出会った頃は男気あるところに惹かれたけれど、実はプライベートでは甘えん坊だったなど、付き合うと様々な顔が出てくるものです。

例えば婚活だと、絶対に譲れない条件が一つのボーダーラインがあります。
条件を上げれば上げるほど、理想を高くするだけです。逆に、この条件だけはということを上げると婚活の土台ができます。「思っていた人と違う」と感じた断りの理由には、あなたの理想とのギャップも関係していることもあるので、相手をイメージで捉えるのではなく、相手を客観的に見ることを心がけましょう。

アナを空港まで見送る時の母のアドバイスは、婚活時に言えるぐらい的を射ています。心に響いたのなら、あなたの婚活に活かしてみてください。

余談ですが、海外では映画の影響からか救急車を要請することが増加したそうです。くれぐれも危険な真似をしないように。

官能映画で「救急出動の増加懸念」ロンドン消防局

【2月13日 AFP】ベストセラー官能小説「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ（Fifty Shades of Grey）」の映画版が12日に公開された英ロンドン（London）で、「手錠が外れない」などSM的な性行為が原因の救急出動要請の増加が懸念されている。
ロンドン市消防局によれば、英作家E・L・ジェームズ（E. L. James）による同小説が11年に出版された際には「人に見られては困るような状況」による救急出動件数が増えたという。
13年4月以降これまで管轄内では、手錠が外れないという救急要請が28件、男性の性器にはめたリングが外れなくなった例が7件あるが、同消防局のデイブ・ブラウン（Dave Brown）氏は「『フィフティ・シェイズ効果』によって手錠が取れないといったような出来事が増えると思う。映画を見た人々には、常識を持って行動し、自分で恥をかくような事態を避けてほしい」と述べた。
市消防局では「手錠をはめる場合は、常に手の届くところに鍵を置く」、「安全に見えないことは、おそらくその通りなので実行しない」といった「アドバイス」を通達している。

[AFPBB News]2015年02月13日 21:04　記事より引用

■結婚相談所の婚活でＮＧなこと

結婚相談所での婚活は、肉体関係は禁止行為です。
結婚相談所では、口約束、肉体関係、外泊旅行は成婚とみなします。

「バレなければ大丈夫」と話を持ちかけられたら、毅然とした態度をとってください。即、仲人さんまたはカウンセラーに報告しましょう。

「この人を逃したら後はない」と揺れた気持ちは思い過ごしで、「エッチをしなければわかり合えない」と言うのは男の常套句です。

相手に誠実さはありますか？
逆にＯＫをした場合、あなたもバレなければいいと相手と同じ行動を誠実といえるのでしょうか。

結婚後「浮気がバレなければ大丈夫」と不倫相手に言えてしまうことが想像できます。見た目の誠実さに惑わされないでください。

また、見合での会話に詰まった時に思わず聞いてしまう「これまで出会った人は何人でしたか？」はＮＧ会話です。
面と向かって「今までの経験人数は何人ですか？」と言っていることと同じです。

過去の異性を気にするのもわからなくはありません。しかし、無意識に比べて優劣をつけ相手の過去にこだわりすぎると上手くいくものもいきません。

心を装うのではなく、お互いに心をオープンにすることができる相手となるのかどうかです。オープンにしたいからといっても、好意的に受け止めてもらえるとは限りません。まずは、気持ちよく付き合えるように心がけましょう。

最後に、アナのアルバイト先に偶然クリスチャンが訪れます。見かたによっては、偶然を装っている風にも見えなくもありません。交際の進み具合は、あなたの必然ないし意図的に選択しています。

アナやクリスチャンの目を通して、あなたの愛する表現や意味を考えてみてください。