婚活中はその都度想いを整理しよう「流星ワゴン」
「この人いいな」と思いデートをします。
この「思う」には、わからないからこそ知りたい想いが含まれているとなれば、お見合は数時間で印象づけを50：50にしたいところです。
次の顔合わせはシチュエーションを変え、時間も少し長くなります。
お互いに求められるものも出てきます。印象に現象が加わり、気持ちに変化が生まれてきます。
育つ環境は人それぞれです。
食事デートの時は、各家庭環境が顔を覗かせます。「食事の時は話ながら食べないように」など本当にさまざまです。
上記のように言われていた人は、会話を楽しむ以前に食事中は静かなのかもしれません。相手の背景を聞いてみると、納得することもあるでしょう。
気持ちの選択は、自分自身の選択です。
婚活中では常に選択を迫られているように感じていることだと思いますが、実生活では選択の連続ではないでしょうか。
■自分に置き換えられる小説「流星ワゴン」
人は皆、子供の頃を経験していますが、大人になると忘れてしまいます。
そんな時は、映画・演劇、本などから思い出を重ねてみてはいかがでしょうか。
親子の考察ヒントに一冊の本「流星ワゴン (講談社文庫)
簡単なあらすじとして、主人公の永田一雄はリストラ宣告をされ、妻からは離婚を言われ子供は引きこもりになりと、家族崩壊寸前の現状。
親子の確執のままだった故郷の広島にいる父親は末期がんで危険な状況。
見舞いに行った帰り、どうにもならない現実に駅前のベンチで酒をあおりながら「死んじゃってもいいかな」と思っていました。
そんな時、赤ワインのような古い型のオデッセイが停まり、引寄せられるように一雄は乗り込み、時空間を越えた旅がはじまります。
車を運転している橋本さんと息子の健太君、いつの間にか一雄と同じ年の父親も加わり橋本さんが「大切な場所」の過去へ車を走らせます。
ＳＦ映画や小説では過去を変えてハッピーエンドになる話ですが、この本では喜ばしいものではありません。だからこそ、今をどう生きるかを語りかけてくる作品です。
楽しくない話題は避けてしまいます。
肝心な話は後回しになり、いつの間にか時が流れて話さなかったこともあるはずです。
例えば、お見合いは今では「子供を放っておけない」と親御さんの代理見合いや交流会があります。
近所や親戚の叔父さんなど、見合い話を持ってきてくれた時代がありました。
身内だと距離が近すぎて言えないこともあります。よき理解者の親と言えども、子の全てを知っているわけではありません。よく考えると、冷静で客観的な視点を持っている家族以外の人が話を持ってきたのではないでしょうか。
また「孫の顔が見たい」など、プレッシャーやストレスに感じている独身者は多いです。余計、意固地にさせることにもなりかねません。
言動には注意されたほうがいいでしょう。
主人公や父親など自分に置きかえやすく、心に沁み渡ります。
親としての想いは、子の気持ちを無視した想いではないかどうか感じられるはずです。
子は、距離を置いていた親の心情に少し触れることができるのかもしれません。
■引きずる想いに決別
「あの時、別の選んでおけばよかった」と思うことは、誰にでもあります。
しかし、その時に悩み考えて結論を出した自分の精一杯の答えは、いつの日かよかったと思える日が来るはずです。
早くその日にたどり着きたいばかりに、自分自身に苛立ち苦しめているのかもしれません。
婚活中だからこそ「分岐点」を意識するのは当然です。
しかし、過去の意識と混同していると、感情に影響し冷静さに欠け判断が鈍ります。
婚活中に引きずる想いが浮上する理由は、過去に決別をしていないからです。
過去に出会った人（またはお見合をした人）のＮＧデータを蓄積して、目の前の人をジャッジしているようなら、相手を見ているのとは違います。
大好きだった別れた人の幻想や理想を追い求めているような婚活は時間だけが過ぎていきます。誰かと比べてしまうなら、今も苦しいのではないでしょうか。
心が空っぽのように見えても、その時の気持ちを握りしめているので空っぽではなく埋まっています。何かが入るスペースをつくるには、とことん思い出に浸り気持ちや経験を洗い出してみましょう。
その時々の出来事から相手からどんな言葉をかけられ、何に気づいたのか等を整理します。相手が気づかせてくれたことを知るきっかけになるはずです。
「無駄な婚活だった」と思うには早すぎます。
婚活の足跡をこれからに活かしていきましょう。
●参考記事：独立行政法人 理化学研究所2011年6月24日 報道発表資料
「親の受けたストレスは、DNA配列の変化を伴わずに子供に遺伝」
－ストレスが影響する非メンデル遺伝学のメカニズムを世界で初めて発見－
