心を腐らせるか?躍らせるか?選択時の指南書。「発酵道」

一生懸命取り組み力を注いでいる時、空回りしてしまうことがあります。力が入りすぎて、周囲が見えなくなってしまったりするものです。

上手く行かないことには何らかの理由が潜んでいます。
少し時間を置くと、視界が開けて見えてくるものがありますが、逆に見たくないと蓋をして、なかったことにしてしまうこともあるのではないでしょうか。

考えることを避けたくなる気持ちにも、少なからず理由があります。

  • 自分にある非を第三者の前では認めたくない
  • 意固地になってしまう
  • 現実を直視する気力が弱くなってしまっている

「どうせ」「やっぱり」「だから」という言葉が連なり、言い訳のように続く言葉はに否定形。全てが悪かったわけではなかったと思います。良きことより悪かったことに焦点を合わやすくなってしまったかのようです。

変わりたいけれど変えかたがわからない人へ、心の微調整に響く本をご紹介します。
お酒の好きなかたをはじめ、食や健康について考えているかた。物事が上手くいかないと思い悩んでいるかたにおすすめです。

発酵道―酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方

著者は、千葉県香取郡にある300年続く老舗の造り酒屋「寺田本家」23代目当主。
蔵元の婿入りの話から病気で目覚めた出来事、日本酒のこと、日本酒を造る上では欠かせない発酵する微生物のことなど盛り沢山なことが綴られています。
決して日本酒の美味い店、グルメ本の類ではありません。

最初は何となく流されているようでも波に乗れている感じからか、違う方向へ進み流れが変わっていきます。なぜなのかわからず疑問、憤り、焦り。これまでの経験や知識が裏目にでてしまい、悶々とした渦に巻き込まれも引くに引けない。利益の視点から自分の生き方を見つめ直した時、暗闇の中に一筋の光が差し込んで小さな光を手掛かりに、自らを省みて新たなる道を歩み続けた先にあることを、寺田氏の言葉から感じます。

腐敗しきっていたときの自分は井の中の蛙だった。自分だけの世界で偏った価値観を頼りに生きていた。何が大切か、何が本物か、体も心もわかっていなかった。これがひとたび発酵してくると、人間は直感が働いてくる。本物がわかってくる。広い視野で見ることができてくる。
何より、腐敗病気や失敗、苦悩、災いの源であるとわかってきた。不幸といわれるあらゆることの元をたどっていくと、必ずそこには腐敗がある。発酵していれば、そこには平安がある。幸せがある。発酵こそが、進むべき道なのだと思えてきた。
そして、発酵を選ぶか腐敗を選ぶか?人間だけは自由意思でそれを選択できる。なすやきゅうりは、ぬか床に入ることを自分で選ぶことはできないが、人間は自らぬか床に入る選択ができるのだ。そしてどちらか一方を選択したとき、好む好まざるにかかわらず、それは結果となって表れてくる。
逆らって腐敗を選択することもできるのだ。お金を追い求め競争を続けたり、他人を犠牲にして自分の快楽だけをむさぼって生きる道もある、現代社会ではだれでも容易に選択できる道だ。でも、その道をとことん体験して初めて腐敗にいきあたり発酵の大切さがわかるという人もいるのだ。実際、私もその口だった。
「おなかが発酵するか、それとも腐敗するか、これが健康の分かれ道なんだなぁ。」
腸が腐るというとんでもない体の異変から、私はこのことに気づた。そこで初めて、すべてにおいて発酵の道を選んで歩むことを決意したのだ。

第3話「どん底でみえてきたこと」より

 

酒造りの視点から身近にあった小さな微生物の存在に気づき、腐敗と発酵を深く考察されたのではないでしょうか。これまでの思考を変容させ続けた結果、変容する過程において発酵されていった力強い言葉が著書から溢れています。

自分が落ち込み気味な時「あの人は上手くいっている」と羨ましく思うこともあるでしょう。気持ちが揺れ動いているので、見えているものがブレとして表れます。振り返れば、相手の表面しか見えていなかったことはその裏にある面を感じていなかったのではないでしょうか。

相当のご苦労があったことと察しますが、本人からすると苦痛だと思う時はないのかもしれません。それよりも「やることがある」との思いが強力なのです。

噂をしたり無理だと他人を罵り腐敗させたりすることに自ら手を染めるより、コツコツと未来へ向けた発酵道を歩むほうへシフトさせることに力を注ぐほうが賢明なのではないでしょうか。

誰しも今を歩んでいる日々の中で、小さなことも含めれば選択の連続。
小さな選択も快く、心の発酵へと向かわせていきたいものです。




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