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待ち合わせなど多くの人に支えられて、時は刻まれています。「定刻発車」

「周囲や自分の経験が全てとは思っていない」と言っても、相手を理想の枠にあてはめようとしている意識が働いていることは少なくありません。興味のある仕事をされている人と出会いには、想像とは違い実際に休みが合わなかったり、リアルな付き合いになるにつれて、理解できることもあれば誤解を生むことがあります。

定時勤務、フレックス勤務、交替勤務と勤務形態が違う場合、自分基準で考えてしまうと思い込みも手伝い、自ら可能性を狭めてしまうことになりかねません。
お互いに合わせるような思いが「自分だけ」に変わってしまう前に、理解やイメージする力をプラスしてみることをおすすめします。
ただし、仕事に口を出すことではなく「互いの時間をどのように創りしていけばいいのか」という考えや提案を伝えられるように、疑いや不安で時間を埋め尽くすのではない温かな信頼関係を重ねる時として、その間に何ができるのかのヒントに。

例えば、通勤や出張、旅行と身近な乗り物に鉄道があります。
時間通りに発着する鉄道の世界は、どのような方々が勤務されているのでしょうか。
元鉄道員の方や「鉄道員裏物語―現役鉄道員が明かす鉄道の謎」等、現役鉄道員の著者が書かれた本など多数あります。読みやすそうな本から手にしてはいかがでしょう?

2005年に出版された「定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? (新潮文庫)」は、日本の鉄道の歩みを、日本人の時間感覚から捉えていくような奥深い一冊です。404ページにはぎっしりと詰まっています。いくつかご紹介しましょう。

戦のない泰平の世のこと。こうしたお上の意向とは別に実行された緻密なプロジェクトは、江戸時代の人々にとっては例外的なものだっただろう。だが、その気になればやれないことはない。お上に言いつけられた仕事はもちろん、それ以外でも、主体的にプロジェクトを構成する能力を、おそらく江戸時代の人々は潜在的には持っていた。人と人が会って何かをしようという時は、どんな時でも時鐘システムは活躍していたはずだ。

第1章「正確さの起源」より

スムーズに進めたいことがあったとしても、どこかに壁はあるものです。現在も日時を合わせて出会うことしかり「その気になればやれないことはない」の思いは、試行錯誤は現状にとどまらずこの先へ進むことであり、新しいことへ挑戦を持ち合わせいると思う心強さは、自分への原動力になります。歴史からも人は、本当にすごいことをしていることを感じるのではないでしょうか。

「日本の定時運転ここにあり!」という感じである。が、だからといって誰も驚かない。指令員たちは運転士たちの回復運転は当然のごとく行われるものと思っているし、運転士たちもそれが当たり前と思っている。その一部始終を見ていた乗客は、一人としていないわけであるから、運転士に乗客から拍手が起こるとか、指令員やスジ屋の腕のよさを乗客が口々にたたえあうなどという光景も、もちろんないわけである。
事故の影響をもろに受けた列車に乗っていた乗客は「何てことだ!」と思い、平常運転に戻った列車に乗る乗客は、ただ「列車はいつものように走っている」と思うだけなのである。

第10章「システム運転台」より

動かなければ鉄の塊ですが、交通は多くの人たちに支えられて動いています。鉄道の発展は人や物を移動させるだけではなく、正確な時間が保たれているからこそ日本経済の源は鉄道の発展と共にあり、現在も円滑なスケジュールで仕事や待ち合わせ等間に合うことができるのです。
また、乗り込み走りだす通勤電車には鉄道側だけではなく、乗客側にも備わっている力があることも著書から感じられました。

ダイヤ改正されることは乗客にとって使いやすくなり嬉しいことですが、利便性を求め過密になると職場環境を整えた上でならまだしも、少ない人数でまわすようになれば各自の負担が大きくなり、安全は守りきれなくなります。

2004年10月23日、新潟県中越地震が発生し上越新幹線が脱線しました。事故を教訓に、新幹線の安全運行の研究や対策を行ったことで2011年3月11日の東日本大震災発生時に計27本の新幹線が運行していましたが、脱線やけが人もなく停車しました。何気ない日常が、尊い日々であることを、人とのつながりを実感されたかたも多かったのではないでしょうか。

これからの情報社会で人と人は、それぞれが情報を発信しながら、最も適切な場所とタイミングを図りながら、出会ってゆく。いったん決めた約束は状況次第でいつでも変えられるのだから、緊張感がないといえば、緊張感のない社会にもなるが、それだけ人間の側にゆとりもできている。人はものごとに集中して取り組めるようになるだろうし、相手を気遣うことにもっとエネルギーをかけられるようにもなる。
農業社会や工業社会と違って、情報社会では、太陽の動きに合わせるのでも、機械の動きに合わせるのでもなく、人と人の関係が生活のリズムをつくってゆく。
こうした中、人々が求めるのは、人それぞれの生活のリズムにうまく反応してくれる鉄道だ。いまの情報技術の下では、それも可能なのだ。

第12章「成熟社会の夢」より

考え思ったけれど「周囲は変わらないし何もかわらない」では話が終わってしまいます。「自分にできることは何か」小さなことでも一つ、一つ積み重ねていくことを育む力へと変えていきたいものです。

新年度からは、これまでの風景に角度を加えてみませんか?
上京して通勤電車に乗った印象、新社会人になった頃、住む場所を決めた思い、人を本気で好きになった熱い思い等、現在進行形で自分自身を創りだしています。年齢を重ねることは熟成として、さらに時を重ねつつも新たな気持ちで「出発進行!」といきましょう。




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