自ら創り出し育む術は、出会いに仕事に不可欠です。「宮大工の人育て」

修学旅行や若かりし頃には気にもしなかったことに、歳を重ねるにつれて興味を抱くこともあります。最近は神社仏閣を訪れたり、仏像に魅せられている人も増え、歴史や情景に思いを馳せた散策デートもいいものです。

そこで、神社仏閣の建築に携わった人たちの思いにも触れてみてはいかがでしょうか?

自ら創り出し育む術は、出会いに仕事に不可欠です。「宮大工の人育てー木も人も癖があるから面白いー」

法隆寺の鬼と呼ばれた、故西岡常一棟梁のもとで社寺建築を学ばれた日本屈指の宮大工・菊池恭二氏の著書「宮大工の人育て (祥伝社新書 104)」。
神社仏閣ファンにはもちろん、人付き合いをはじめ失敗を恐れてしまったり、悩んでしまう人には背中を押してくれる、おすすめの一冊です。

菊池氏が宮大工になった経緯や図解で木組みについての説明、木材のこと、修行中に学ばれたことや今ある環境をどのように活かしてきたかなどが書かれています。
全国から集まった宮大工たちは個性的だったそうです。その中で、棟梁に近い場所にいて見て、感じて、自らが磨き上げていくことが辛かったというより、未来を掴むために必死に取り組まれていたこと、だから今があるのだということがひしひしと伝わってきます。

自分自身が育つには、他者の力も加わり成長していきます。
春は出会いと別れの季節、仕事では新入社員が入り教える立場になったり、転勤や異動で場に慣れるまで誰かに教わることもあるのではないでしょうか。

西岡棟梁は、質問を受けると「お前はどう思う」「お前はどうなんだ」とよく聞き返しました。それはつまり、自分の考えをしっかり持てということだったのだと思います。「自分はこう思うけれど、どうでしょうか。」そのように聞かれたら、たとえば、「なるほど、そういう考え方もあるけれど、ここはこれこれこういう理由で、こうしたほうがいいと思うよ」と適切なアドバイスができるし、聞くほうも理解がしやすくなります。
質問する側にしっかりとした考えがあれば、適切な助言を受けることで、自分の考えをより深くすることができるわけです。
自分でろくに考えもしないで、「どうしたらいいでしょうか」と聞いて、「それならこうしろ」と教えられたのでは、いつまでたっても質問者の理解は薄っぺらのままで、ほんとうの意味で自分のものにはなりません。
わからないことがあったら、まず自分なりに考え、仮説を立てることです。その上で誰かに質問するなり、教科書を開くなどして答えを求めることです。そうすれば、必ず理解が深まり、自分のものにできます。

二章「西岡常一棟梁の教え」より

著書からの言葉をお借りして、婚活に置きかえて少しご紹介させていただきます。

男性から「婚活セミナーを受講したり婚活に関する本を読みました。実際にやってみたけれど、思うようにいかず不発に終わってしまうのはどうしてなのでしょうか。」とのご相談をいただきました。実は「こうすればこうなる」という婚活セミナーでの図式のままではなく、相手が受け止めやすい、受け入れやすいような場面を創りだすことも必要になります。「そのあたりは考えたのでしょうか?」との問いに、実は全く考えていなかったとのことでした。気持ちが先に立つのはわかりますが、自分の思いを全面的に出すだけではなく、相手の性格や思考、志向、嗜好などにも配慮されることをお忘れなく。

関係を円滑するためにビジネスや食事などのマナーはありますが、婚活や人と人とのコミュニケーションには受験勉強のような「これが正解」という答えはありません。

心配りをしようとしても自らが似たような体験をしていればアレンジがしやすく、相手からされて嫌な思いは、似たようなことはしないと意識づけることはできます。これも一つの心配りだと言えるのではないでしょうか。

何かを伝える時は褒め言葉だけではなく、注意を促したり指摘をすることがでてきます。どこかで好かれたい思いがあると中々言い出せないものですが、伝えないとはじまらないこともあるでしょう。伝えたからと言っても、受けての思いは十人十色。感じ方は人それぞれなだけに、各人に伝わるように様々な言葉や投げかけをして適切な方法を見出していこうとします。

全く馬鹿にもしていないのに、自分が卑劣されたとの思いには「相手が自分より優位に立たれるのが嫌だ」「馬鹿にされたくない」「恥ずかしい思いをさせられた」などと感情が理解よりも上回るような人は要注意です。相手から伝えたい言葉が入ってこないようでは、同じことの繰り返しをしてしまいます。思いあたる人は、自分で自分を追い詰めるようなことをしてしまっていないか一度、考えてみてください。

真っ新なところに一つの知識として加わったことで行動でき、体験した苦い思いは知恵になります。少し場が暗いムードになってしまった時に、素直に謝る姿勢も持ち合わせたいものです。

卑屈な二番手意識など、逆にそれをバネにして乗り越えるだけの粘っこい気持ちの強ささえあれば、いつか必ず克服できます。短所は、長所と組み合わせて逆に利用すればいいのです。そうすれば、必ず大きなプラスを生むはずです。いい面だけでなしに短所や欠点も生かして初めて、その人の潜在能力は十全に発揮されるのではないでしょうか。
人も心も木組みと一緒で、癖があるからこそ生きるのです。

四章「木の癖、人の癖を読む」より

若かりし頃の菊池氏は、東北訛りがコンプレックスだったとのことでした。また、様々な仕事場へと替われる都会とは違い、東北では働く口が少なく選択の余地も少ないことが、必死にしがみつく力が他よりも強いので、我慢強いと思われるのではないかと書かれていました。
確かに、イメージはよくも悪くも勝手に創りだします。今、目の前にいる人の姿勢や直接話をしたりことなどから、イメージは変わるものです。

可能性を創りだすことや機会を得ることは、試行錯誤をしながら意識を軌道修正し、自らの力も添えていることなのかもしれません。




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