ものづくり体験から、共感デートをしよう。
その場で感じる「ライブ感」には、面白味があります。
例えば、一見さんお断りな雰囲気というか地元の人が集う場所では、多少のアウェー感を持つようです。それは心の持ち様で、感じかたは変化します。自分から心を開くと、相手は「ここの良さを知ってほしい」から様々な情報が舞い込みます。しかも、ガイドブックよりも詳しい生の情報です。
その時間に同じ空間にいる人の話を伺って「これは面白そう!」と思ったら、臨機応変に予定変更もアリです。
地元の人達や店主の京子さんを慕う人達が集う押上の「スマイルキッチン」にフラッと立ち寄り、面白そうな話を伺ったの早速行ってみました。
■下町は路地散策が面白い
浅草と東京スカイツリーの間にある「ちいさな硝子の本の博物館」です。
ポタリングや散策デートに、ちょうどいい場所です。
浅草からは吾妻橋を渡り、直進すると大通り「浅草通り」に出たところを左折した数歩の場所にあります。
外壁に色味があるのでわかりやすいです。
温かみある店内には外の光が差し込み、魅力的なガラスたちを引きたてます。
目に入るのは様々な本。
グラスに注がれるカクテルの本や、香水の瓶の本など、ガラスに関する本が約830冊。
是非、観て頂きたいのは一段目の本棚にある「職人さんが書いたノート」です。ガラスについてや入社されてから退職されるまで、様々なことがイラスト入りでわかりやすく描かれています。
館長さんはとても気さくな人で、ガラスについてやグラスの製造工程など、丁寧にご説明いただきました。
手取り足取り教わるのではなく、今でもガラス職人さんは先輩の技術を目で盗み、自分の身体で覚えていくんだとか。感覚は教わるものではなく、感性を磨いていくものなのですね。
松徳硝子株式会社は、大正11年に電球用のガラス製造工場として創業。
ガラス食器、工芸ガラスの製造・販売会社です。
とても薄いグラスに驚きました。
電球の球を吹いていた技術が受け継がれている「うすはりグラス」はその名の通り、薄くてとても軽い。プラスチックのような感じですが、これは立派なガラス製品。
グラスの凹凸が指にフィットして心地よく、職人技を感じる一品です。
他にも、可愛いガラスが並んでいます。
面白かったのが、卵型のオブジェです。
模様のように均等に空気が入っている部分も、職人技が光ります。
館長さんが「手にしてみるとわかりますよ」と言われ外を眺めてみると、面白い風景が見えました。
さらに、ランプの光に当ててみると表情を変えたように幻想的。
何かがうみだされるような神秘さも感じます。
ガラスの面白さや、職人さんやアーティストの粋も伝わってくる作品がたくさんありました。
例えば、妖怪好きにはたまらない「怪談ぐい呑み」です。
江戸時代の都市伝説「本所七不思議」を題材に作成された一作品「送り拍子木」
火事が多かった江戸時代。「火の用心」と声を上げカチカチと拍子木叩いて夜回りをしていると、違う場所から拍子木が聞こえます。気のせいかと思い、再び声を上げたらどこからともなく拍子木の音が聞こえ、誰もいない。人影がなく拍子木が聞こた時は「拍子木が出た!」と言われたとか。他の話の怪談話も気になります。
ワイングラスやぐい呑みなど、様々なガラスの中から選んで「ガラス彫体験」ができます。
リンゴカード立てに、メッセージを込めてもいいですね。
■ガラス彫を体験しよう
店内の一角に、体験コーナーがあります。
ガラスを彫る機械、リューターが2台。
練習用のガラスもあるので、大丈夫です。
リューターは針のように尖っていないので危険はありません。
ただし、勢いで布を巻き込むことがあるので敷いてある布の上ではなく、元の位置に戻しましょう。
手順は動画がわかりやすいので、こちらをご覧ください。
図案がある人は、持参してみるのもいいかもしれません。ない人は図案集があるので大丈夫。下書きは間違えても消せるので、書き直しOKです。
今回、ガラスの色彩が美しくお酒がより美味しく感じられ、ちょっとした小鉢としても使える枡形のぐい呑みを選びました。
館長さんに相談したり、かなり迷いながらも何とか図案や構図を考え、下書き完了です。
リューターを固定させながら、ガラスを彫っていきます。
選んだ品は平坦なガラスではなく厚みと波があるので、慎重に彫り進めます。
途中で慣れてきて集中力が低下してきたのか、ガラスを削った粉を拭く布を巻き込んでしまいました。すみません。
巻き込んだら無理には引っ張らず、ゆっくりと取ります。体験時はお気をつけください。
完成しました!
店内の撮影スポットから、東京スカイツリーをバックに一枚。
お互いのマイグラスで一杯、なんていうのもいいですね。
空席時の飛び込みは大丈夫ですが、基本は予約優先。
週末デートで訪れる際には、ご予約をおすすめします。
かゆいところに手が届くような温かみあるスポットは、小さな博物館ならではです。ガラスのことはもちろん。ものづくりの墨田の良さをもっと知ってほしい想いある地元に精通されている館長さんに、色々なスポットを教えていただきました。
情があふれる街での体験デートは、多くの共感を創りだします。
2人が時を刻むように、ガラスに想いを刻んでみてはいかがでしょうか。
●ちいさな硝子の本の博物館
→ 散策イベントから、隠れた下町の魅力を満喫しよう!(前編)
→ 一味違う、スカイツリータウンデートをしよう。
→ 下町散策、東部エリアデートから五感を刺激しよう。
→ 下町散策デート、向島百花園は江戸時代の花園です。
→ 橋架け350年、下町両国散策デートしよう。
→ 婚活手土産の野菜菓子、食べて味わえる芸術です。@梅鉢屋
→ 婚活下町デート散策で味わう江戸スイーツは、昔も今も桜餅と言問団子です。